更新に日にちが空いてしまい、頻度がぼろぼろな筆者です。
サラリーマンしつつなので毎日執筆はしているのですがどうしても1日で記事が完成しないんですよね、、、
何とか情報を届けられるようにがんばっていきたいと思います。
さて、今回はちょっとディープなお話。
不動産投資を検討されている皆さんは【中間省略】や【三為業者】といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
「聞いたことが無い。」って言う方も物件を探していく中でいずれ出てくるはずです。
今回は【中間省略】や【三為業者】というワードの意味とそれぞれ不動産取引においてどういった特徴があるのかを解説していきます。
それではいきましょう!
中間省略とは?
まずは【中間省略】から。これは登記に関する言葉です。
登記とは「この不動産は誰が所有者ですよ。」という事を示すことです。
よく「登記を入れる。」とかいわれます。
ご自宅を購入されたことのある方はお分かりと思いますが通常、決済をする日と同日に司法書士さんに依頼し登記の手続きに動いてもらいます。
登記が出来てはじめてこの不動産の所有者は私です!と主張できるようになるんですね。
さて、では中間を省略するとはどういった状況かを見ていきましょう。
図を見てもらうほうが分かりやすいと思いますので作成しました。
まずは【通常】から見ていきましょう。
そのままですね。売主Aさんと買主Bさんがいます。売買契約は売主Aさんと買主Bさんの間で締結されます。(不動産仲介業者はこの間に入って”仲介”を行う業者です。)
もちろん、不動産の所有権も売主Aさんから買主Bさんに移り、買主Bさんは「自分が所有者だよ。」という登記を入れます。
普通ですね。
では、次に【中間省略】の取引だとどうなるか・・・
このようになります。
まず、売主Aさんと中間者B業者との間で売買契約が締結されます。
その後、中間者B業者と買主Cさんの間で売買契約が締結されます。
所有権はと言うと、売主Aさんから買主Cさんへ移動します。
中間者B業者の所有権(登記)を省略するので中間省略といいます。
三為業者とは?
サンタメ業者と読みます。
この三為業者はいったい何の業者かといいますと、上記の中間者B業者のことを指します。
中間省略取引は一昔前までは宅建業法では禁止されていました。
所有権を有していない他人の不動産を売主として勝手に売買してしまうわけですからそれは駄目なんじゃないかということで。
ただ、現在は法律でも認められている制度ですし、司法書士さんも中間省略登記と聞けばきちんと対応してもらえます。(一部、昔の名残で違法という認識の不動産業者や司法書士さんもいますが時代についていけていないか、ただなんとなく違法のイメージがあるからやらない。といった程度のことですので他をあたればOKです。)
ただ、1点注意点があります。
売主Aさんと中間者B業者の売買契約(業界では”AB間の契約”といいます。)、中間者B業者と買主Cさんの売買契約(BC間契約)の両方の契約で
「この不動産の取引は中間省略での取引ですよ。」という事を売主Aさんと買主Cさんも確認し、認めたうえで締結している必要があるのです。
(一般的に売買契約書の”特約”でこの旨を表記します。)
中間者B業者がこの確認と説明を怠ると違法な取引となります。
さて、「この不動産の取引は中間省略での取引ですよ。」という意味の文章が売買契約書の”特約”に明記されるわけですが、一般的に【第三者の為にする契約】という表現を使います。
はい、【第三者の為にする契約】を行う不動産業者を略して三為業者なんですね。
中間省略の特徴
では、なぜ中間者B業者はわざわざこの複雑な中間省略の取引をするのか解説します。
それはもちろん、業者にとって「おいしい」取引だからです。
第一に(もちろん物件によりますが)売上げと利益が両方が【仲介】とは比べ物にならないほど、大きくなります。
仲介業者の売上げは下の記事の【仲介手数料】のところで解説していますが
物件価格(消費税抜)×3%+6万円+消費税です。
これが売上げですね。
税抜き1億円の不動産だと売上げはおおよそ330万円です。
ココから物件調査費や人件費、交通費などなどが差し引かれて利益ですね。
一方、【中間省略】取引ではAB間の売買金額とBC間の売買金額は全く関係ありません。
AB間で売買金額が1億円だったものをいくらで販売しようがそれは三為業者Bの自由となります。
それが例えば1億1千万円で販売できれば売上げは単純に1千万円です。
【仲介】のときと比べおおよそ3倍の売上げになりますね。
もちろん、実際に販売できなければ意味がありませんので市場価格に比べどれだけ安く物件を仕入れるか。三為業者は”仕入れ”が生命線です。
買主Cさんにとってはどうでしょうか?
買主Cさんにとっても【通常】取引と【中間省略】取引では違いが出てきます。
それは瑕疵担保の責任についてです。
瑕疵担保については下記記事の内容を見ていこう>条件>瑕疵担保有or免責のところで少し解説しています。
中間者B業者は宅建業者です。
という事はBC間の売主が宅建業者という事になります。
経年劣化ではない、収益不動産として使用できないパッと見では分からないような不具合(シロアリ被害や雨漏れなど)の瑕疵については宅建業者が売主の場合には買主に対して担保責任をつけなければなりません。
※請求できる期間は中古の不動産で2年、新築の場合10年です。
仮に特約などで『瑕疵担保は免責です。』などと表記されており、締結していたとしてもその特約自体が無効になります。
これが【通常】取引の場合、売主Aさんが一般個人の方であれば瑕疵担保責任を負う義務はありませんので免責となるでしょう。
こういったところは買主Cさんにとっても【通常】取引と【中間省略】取引の違いといえるでしょう。
まとめ
恐らくこの記事を読まれている皆様は買主Cさんの立場になられることがほとんどだと思います。
今までの解説で中間省略取引の三為業者から物件を購入することは「高値掴み」になるのではないかと不安になられる方も多いでしょう。
もちろん、一部の三為業者は自社の利益優先で利益をたんまり乗せた状態で販売に出している物件もよく見かけます。
しかしながら三為業者も売れなければ意味がありません。
物件の購入を検討する皆さんはしっかりとご自身の目的に沿う物件と価格なのかを検討すればいいのです。
検討の結果、購入に見合わなければ見送ればいいですし、購入したい!となればそれは三為業者の仕入れの力があったということでしょう。
ご自身の目的に沿った物件なのかどうかが全てです。
それが【通常】だろうが【中間省略】だろうがもはや関係ありません。
ご自身の目的に沿った物件なのかどうかを適切に判断できるようにこのブログでは情報提供を続けていきたいと思います。
皆さんがご自身の目的に沿った投資判断を出来ることを願って本日はこのへんで。