今回は資産運用のマインドのお話。
これから投資を始められる方は何から勉強すればいいのか分からず、結局何も行動できないままの方も多いのではないでしょうか??
でもとっつきにくいのは”投資”というワードが勉強をする前であればどこかギャンブルめいた、「損をするかも知れない」というイメージがあるからではないでしょうか?
そんなモヤッとしたイメージを払拭させる事が出来ればもっともっと資産運用が身近なものであると感じてもらえるのではないかと考え、筆者が作り出した造語が【資育(しいく)】です。
言葉の意味と考え方を解説していきます。
資産運用って必要?
そもそも「運用する資産なんか無いよ」っていう人がいるかも知れません。
はたまた、「生きていけるだけで十分、お金持ちになんてなりたいとは思わない。」という方もおられるでしょう。
それは個人の考え方や価値観の領域ですので筆者は何も言うことはありません。
ただ、これだけは主張します。
お金で幸せにはなれないけど、お金で解決できる問題は多い。
筆者には家族がいます。配偶者がいて子どもがいます。
配偶者も働いてくれています。それでも家計は毎月苦しいのが現状です。
個人的な話ですが子どもの教育について出来れば公立には行かせなくなかったです。
これも金銭で解決可能ですが現在の筆者の稼ぎでは実現できませんでした。
また、義務教育を終えた時には進学させることが出来るのか。
もし家族に重い病気が発覚したら、もしサラリーマンとして働いている会社が倒産やリストラにあったら、もし、もし、もし・・・。不安はつきません。
今の筆者にとって家族はかけがえの無い存在です。
それはお金では決して買えない存在です。しかし彼ら彼女らを守り、ともに安心して人生を豊かに生きていくためにはお金が絶対に必要です。
資産運用の目的はもちろん資産を増やすことですが決してお金が目的ではありません。
お金は常に手段です。筆者の場合、家族と幸せな時間を共有したい。これが目的です。
この目的を達成させるための手段としてお金が必要だと思っています。
あなたの人生の目的にも、それを達成させるためには必ず手段としてお金が必要になります。
もちろん、「お金持ちになりたい。」という夢も大いに結構ですがその先を見据えておかないとがんばる理由がなくなります。そしてラッキーで大金を手にしたとしてもその後あまりよい結末にはならないでしょう。
宝くじ当選者の末路、なんて話を良く聞くと思いますがそれは目的無く大金を手にしてしまった人間の典型的なパターンです。
あなたの人生は可能性で満ち溢れています。あなたが心になにもフィルターをかけることなく思い描く夢があなたの人生の目的だといえるでしょう。
その夢の実現に向けてお金、資産運用は必ずセットで実現させなければならないのです。
投資って損するかも知れないんでしょ?
はい、そのとおりです。損という事をもうちょっと深堀りした言い方をすると【元本割れ】って言葉になります。
この元本割れというのは例えば1株1万円の株を100株購入したとします。
このとき、100株と100万円は同価値です。
この会社の決算発表を受けて株価が変動したとします。1株9,000円になってしまいました。
するとあなたは100株持っているのでこの100株は90万円の価値という事になります。
10万円元本から減ってしまいましたね。これが元本割れです。
では、元本が100%保障される資産運用方法ってあるのでしょうか?
実はお金の価値っていう根本のところまで考えるとありません。
タンス貯金だって銀行に預けている預貯金だってあなたが現在預けている金額(現在価値)と将来の価値が同価値である保障はありません。
貯金のリスク面については下記記事で解説していますのでご覧下さい。
元本割れのリスクは何をしても、何もしなくても常に発生しているのです。
でも、これは悲しむことではありません。この価値の変動があるので価値が上がるということが発生するからです。
常にリスク=リターンです。
粗悪な金融商品はリスク>リターンです。
リスク<リターンを謳う商品は詐欺です。
リスク=リターンであることが最上であるということを受け入れることとリスクとリターンを正確に測れる考察力を持つことが粗悪な商品や詐欺から身を守る鉄則です。
資育(しいく)の概念
さて、ココまで運用の資産運用の必要性とリスクをとる必然性を解説してきました。
ここからが資育(しいく)の概念です。
筆者の言う資育とは資育=資産を育てるです。
育てるということを念頭に考えた場合、具体的な運用方法は
・個別案件を対象としない(分散)
・長期運用
・継続購入
・複利運用
・ポートフォリオの一部として。(バランスを取る)
・年齢、資産状況、それぞれの状況によってバランスの取り方が変わる
となります。
まず、個別案件というのは【特定の個別株】や【特定された商品】への投資です。
これは資育には向きません。なぜかというと個別案件であれば価値の変動が激しすぎるので精神的にもよろしくありません。
資育に向く商品とは序々に緩やかに価値が上昇していくような商品です。
具体的にはS&P500のようなETFと呼ばれる商品です。これはアメリカ版の日経平均みたいなものだと思っていただければOKです。
下記はS&P500の開始時期から現在までの価値を表したグラフ(チャート)です。
このチャートを見ていただけると分かりますが過去40年間ジグザグはしているものの基本的には右肩上がりです。大暴落といわれるリーマンショックさえ4年5年程度で回復し、高値を更新し続けています。
このS&P500だけではありません。アメリカの市場を対象にしたETFといわれる商品はたくさんあります。
例えばダウ平均株価って聞いたことありませんか?これもダウ平均っていう日経平均のような数値に連動する金融商品があるのですがこのダウ平均も右肩上がりです。
それぞれ個別の商品特徴はこの記事では割愛しますがこういった個別案件ではない商品を長期で運用し続け(途中で売却しない。)、さらには毎月定額を取得し続ける。
それを続けていけば、一時現在価値が取得金額を下回ったとしても数年続けていれば元に戻り、さらには更新も続けていくことが過去の情報から読み取れるのではないでしょうか。
そして、配当金も発生しますがこの配当金に手をつけてはいけません。
この配当金をさらに購入に当てます。(元本に組み込む。といいます。)
この配当を元本に組み込むことを【複利】といいます。
これを例えば30歳から65歳の定年まで続けた場合、(もちろん定額購入の額によりますが)纏まった資産と毎年の配当金もそれなりになっている環境を作ることが出来ます。
これが、資育!資産を育てる概念です。
しかしこれには注意点もあります。
例えば紹介したS&P500だけに可能な限りの財産をつぎ込むことはよくありません。
筆者は歴史を重視しますが歴史どおりにならない事も多々あります。
20年や30年という長期目線の場合、誰も確かなことは分かりません。
激動の世の中です。紹介した2つの商品はともにアメリカを市場とした商品ですがアメリカ以外、ETF以外、にも資産の分散は必要だと思います。
大切なことは再起不能になる可能性を排除していくこと。そのために資産を分散し、配当という収入を得る手段を増やしておくことが重要です。
また、個人の状況にも向き、不向きがあると思います。
貯蓄が無い人が育てる事を優先するのも無理があると思います。育てるのには時間がかかります。まず、育つまでに必要な期間を安心して生活できる貯蓄は必要だと思います。目安としては今の生活水準を買えないという前提でご自身の年収1年分です。
この金額を貯めることをまずは目標とされてはいかがでしょうか。
そして、学生のような若い年齢の方がこういった長期投資に全力に取り組むのもあまりオススメしません。取り組むにしても少しの金額でいいかと思います。
それは纏まった資金が無い方が纏まった資産を得るためにはある程度のリスクが必要だからです。どちらかといえば若いうちは失敗も許されますし、バリバリお仕事でも稼げます。まずは投資の勉強として少しリスク許容度を上げFXや個別株の短期売買、はたまた自分への投資としていろいろな経験に資産を使うほうが人生の厚みというものが出るのではないでしょうか。
この資育はどちらかといえば、お金を守りながら育て、少しづつ大きくしていくという概念です。
ご自身の状況やフェーズにあわせ、力の入れ方は変わってきますが誰もがこの資育考えを取り入れ、「損するかも知れない」「貯金をしていればいいや」といった投資の食わず嫌いをなくしていくべきだと思います。
まとめ
どうだったでしょうか、資育という概念。
ご自身の資産を徐々にではありますが着実に大きくすることが実感として持つことが出来れば、ご自身が本当にかなえたかった夢や活動に対してお金を理由にあきらめることはなくなります。
そう、冒頭にもお話しましたが資育はお金を増やすことが目的ではありません。
資育はあなたの人生をあなたらしく生きていく為の手段なのです。
これからの日本はますます厳しい状況になるでしょう。
年金も減っていくでしょうし、今の若い人たちが年金をもらえる保証なんてどこにもありません。
非正規雇用が増え、ワーキングプアという言葉も出てきて久しいです。
そんな中、あなたの人生はもう誰も守ってくれません。ご自身でご自身の人生を作り上げていかなければならないのです。
「難しそうだから考えないでおこう。」なんて話ではなく、「取り組まなければ、自分らしい生き方が出来ない。」なのです。
皆さんが資育の概念の元、資産運用に取り組まれ、自分らしい人生を謳歌される一助になれるようこのブログでは情報発信を続けて行きたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。