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【不動産投資】結局ワンルームマンションは儲かるの?→儲かりません!その考え方を解説

結論だけ言っちゃうと...

儲かりません!!

 

では、儲からないと分かっている手法がなぜ存在するのか?

そしてなぜ一定数の人々がワンルームマンションに取り組むのか?

 

この記事では儲からない仕組みと背景を解説しながら

ワンルームマンション投資の特性を解説し、読者の方々に業者と銀行の

カモにされない為の知識を提供します。

 

 

ワンルームマンション投資ってどんな投資?

不動産投資の種類の一つです。

一口に『不動産投資』といっても対象の不動産によっていろいろな種類があります。

(例:戸建て、駐車場、ファンド、一等マンション、民泊、開発とかとか。)

 

不動産投資をこれから勉強される方は「いろんな種類があるんだなー。」

ぐらいの感覚でOKです。

 

今回取り上げるのはその中でもワンルームマンションに投資してる、

ワンルームマンション投資」です。

 

基本的な構造は

マンションを買う。

   ↓

入居者から家賃をもらう。  コレだけ。

 

 1,000万円のマンションを買って家賃6万円で貸した場合、

6万円×12ヶ月÷1,000万円=7.2%っていう式で収益性を判断します。

 

現在銀行に預金をしていると金利が0.001%、定期預金で0.01%ぐらいですので

それに比べると7.2%って儲かるじゃんって思いますよね!

 

なぜ、ワンルームマンション投資は儲からないか?

ではなぜ、儲からないかを解説します。

ワンルームマンションに限らず、不動産を運営するには「経費」が発生します。

ワンルームでは具体的に

  • 返済元金
  • 返済金利
  • 管理費用(管理会社に委託の場合。)
  • 広告費(管理費とは別に客付け業者に支払う費用)
  • 原状回復費用
  • 修繕積立金
  • 固定資産税、都市計画税  などなど。

いろいろかかるわけなんですよ(-。-;)

 

そして、ワンルームマンションってことは貸せる部屋が1戸ですね。

入居者は単身者なので引越しも結構頻繁にあるんですよね。

(感覚的には2、3年に一回ぐらい。)

退去と入居に数ヶ月の間があけばもちろん、上の費用は全額自腹...

 

経費を一つ一つ洗い出し、精査すると、市場で出回っているほとんどの物件が

経費>家賃のマイナスになる物件です。

 

稀に経費<家賃の物件がありますがほんとに稀。

そんな物件は転売業者が根こそぎ買い取ってしまいます。

 

ワンルームマンションの資産性

投資から話がそれるかもですが大事なことなので。物の「価値」の話。

会社経営や株式投資をされている方は分かると思いますが

保有資産の全体を把握する際につかう、「貸借対照表」。

 

簡単にいうと「資産」と「負債」を比較してトータルでどうなの?っていう表です。

この考え方は銀行が個人の保有資産を判断する場合にも使われます。

 

ワンルームマンションを買うということは1,000万円の現金と

(もしくは1,000万円の借金をして)マンションを交換するということ。

 

不動産の評価は金融機関によって違いがありますがおおよそ

下の式を目安とします。

土地の価値(面積×路線価)+建物の価値(この式はちょっと複雑なので別記事で解説予定。)

 

さて、ワンルームの場合致命的なのが土地の価値をほぼ見出せないということ。

マンションの一室のオーナーにはココからココまでの土地があなたの土地ですよ、

と割り振られているわけではありません。

 

部屋の占有面積の割合によって「権利」が振り分けられます。

ですので実用的な価値をほぼ見出せないという理論です。

 

つまり1,000万円を使って1,000万円の価値がない不動産を購入していることになります。

 

なぜ、儲からない物件に銀行は融資するのか?

儲からないだけじゃなく、資産性も伴わないワンルーム投資。

ではなぜ、そんな投資に銀行は融資をするのでしょうか?

 

銀行は融資の審査の際に「返済能力」と「担保」を見ます。

ようは「お金返せるの?」と「返されなくても取りっぱぐれないか?」です。

 

「返済能力」に関して物件単体では返済が出来ないのは前述のとおり。

(ほとんどの物件が経費>家賃)

 

そして、ワンルームマンションに「担保」がないのも前述のとおり。

(1,000万円のワンルームマンションに1,000万円の価値がない。)

 

 

 そう、銀行が見ているのは債務者(お金を借りる人)の「返済能力」だけです。

一般的に年収の数倍から十数倍が個人の枠として考えられます。

(年収1,000万円の人は1億円までとか。)

 

ようは年収高いから給与から返済できるでしょ!ってことです。

このような考え方は銀行の懐事情も含まれます。

 

現在、日本はマイナス金利時代。

銀行は日本銀行にマイナス金利を取られます。

つまり、銀行は預金で集まったお金を貯めておくだけでは赤字のみ。

どこかに貸し出し、手数料と金利を稼がないとたちまち倒産します。

アベノミクスで株価が好調なのは大企業に偏り、99.7%の中小企業は経営が苦しい状況が続き、事業融資で貸し倒れてしまっては本末転倒。

そこで選ばれる融資先の一つが高属性者への不動産融資です。

 

ようは、銀行も物件単体では赤字が出る事、担保力がない事は百も承知。

高年収のサラリーマンやお医者さんなどの年収の高い人から給与で金利を払って

もらうことを前提に融資しているのです。

 

 

ワンルームマンション投資の存在意義

ココまでワンルームマンション投資が儲からない理由を解説してきました。

では、ワンルームマンション投資の存在意義って何でしょうか?

 

ちゃんとありますので解説します。

長々と書いているとおり、基本的にはワンルームマンション投資はマイナスです。

この「マイナス」が重要です。

 

年収の高い人たちが常に頭を抱えてる問題が【税金】です。

日本の所得税は所得に下記の税率がかかります。

所得税の速算表

www.nta.go.jp

 例えば、課税される所得金額が950万円の人は33%の税率がかかります。

この人がワンルームマンション投資で年間50万円のマイナスが出れば

 課税される所得金額が900万円となり、税率が23%になります。

 

ワンルームマンションしない場合の税金】

950万円×33%=313.5万円

ワンルームマンションした場合の税金】

900万円×23%=207万円

コレにマイナスの50万円を追加したら=257万円

 

50万円のマイナスを出すことによって、税金が減り手元に56.5万円多く残りました。

 

コレがワンルームマンション投資の旨みです。

 

そして、現在は税法が改定されたことによりかなり限定的にはなりましたが

日々の生活費をワンルームマンション投資の「経費」として計上できていました。

携帯代、ガソリン代、書籍代とかとか。

 

こういった本来、「経費」に出来ない費用を「経費」にすることにより

どんどん課税所得を圧縮することにより節税が出来たのです。

 

特性を理解し目的にあった手法を選択しよう!

ここまでワンルームマンション投資について解説してきました。 

ココでお伝えしたいことはワンルームマンション投資に関わらず、

特性を理解して目的にあった手法を選択しよう!ということです。

ワンルームマンション投資のメリットは節税です。

節税が出来るということはデメリットとして儲けは出ません。

儲けが出ないということは確定申告の際に「私には資産運用能力がありません。」と

大声で叫んでいることと同じです。

コレはあなたが本当に融資を受けたいタイミングで必ず影響します。

 

全ての投資にメリット・デメリットが存在し、一長一短です。

誰かが成功している投資手法があなたの目的に沿っているとは限りません。

 

あなたが本当に考えるべきなのは「どんな投資が良いか?」ではありません。

自分の投資をする目的は何なのか、資産を増やすことか?守ることか?脱サラの実現か?おこづかい稼ぎか?専業の投資家になることか?

それは人それぞれ、保有資産や年齢、状況によってもさまざまなはずです。

 

あなたの目的が「節税」であるならワンルームマンション投資は候補の一つでしょう。

しかし業者の口車に乗せられ、節税目的以上の負債が出る物件を購入してしまっても本末転倒です。

 

このブログではこれからさまざまな投資手法を解説し私自身も取り組み、

結果なども報告していく予定です。

 

あなたの目的に沿った投資手法がみつかる手助けが出来れば幸いです。