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【不動産投資】悲報:利回りを基準にしても意味ありません!→何を基準にするべきか解説します。

収益不動産でまず、確認するであろう【利回り】。

利回り基準で物件の選定をされている方がほとんどだと思います。

 

そんな重要な利回りですが実は利回りを見ていても収益性はまったく判断できません。では何を基準に投資判断を行うべきか徹底解説いたします!

 

 

利回りって何?

そもそも利回りって何?というお話から。

利回りという言葉は不動産用語ではありません。投資全般においてよく使われます。利益を図る基準、みたいなイメージです。

 

一番身近にある利回りのある運用方法は銀行に預けている預金。コレも立派な運用方法です。皆さんの口座は利息がつきますよね?そう、その利息が利回りです。利息はどのように表されますか?現在ですと年0.001%とかでしょうか?定期預金だともう少し高いですね。このように利回りとは元金(貯金で言うと口座残高)に対して1年でどれぐらいの割合の利益が出るかといった数字を%で表すことを言います。

 

株であれば配当金。配当利回り1%の株を100万円分取得すれば1年で1万円の配当がありますよ。という意味になります。

 

不動産投資における利回り

では不動産投資に置き換えるとどうなるかを見ていきましょう。

元金→取得金額

利益→年間家賃収入

となります。

 

例えば、物件価格600万円、家賃5万円の築古一戸建てがあったとします。

この物件の利回りは・・・

5万円(家賃)×12ヶ月÷600万円=10% となり

利回り10%の物件だと分かります。

 

少し違った見方をすれば、投下資金の「回収率」という見方をしても良いかもしれません。上記の例ですと600万円という資金を投下し、1年で10%が回収できる。投下資金を全てペイできるのは10年後だな、という考え方も出来るかと思います。

 

いろいろな利回り

さて、利回りがどういった数字かが分かったところですが不動産の情報ではいろいろな利回りが出てきます。それぞれの意味を解説していきます。

表面利回り(グロス利回り)

一番よく使われる利回りです。物件概要書に記載されている利回りはほぼこの表面利回りと思って頂いて結構です。

数字の意味としては単純に

家賃×12ヶ月÷物件価格 です。

 

単純に表面上の利回りを計算しているだけです。(グロスという言葉は単純にそういう呼び方をするんだな。程度の認識でOKです。)

(満室)想定利回り

基本的には表面利回りと同じです。ですが戸数が複数ある集合住宅(マンションやアパートのこと)、ビル物件に対してよく使われます。

複数戸ありますので入居中の部屋もあれば空室の部屋もありますね。

そこで、今は空室の部屋も入居者が入り、賃料収入が発生していると【想定】して賃料収入を計算。式としては

満室だと想定した建物全体の賃料×12ヶ月÷物件価格=(満室)想定利回り

となります。

 

想定利回りと表記されることもあります。そのときは「満室想定なんだな。」と思えるようにしておきましょう。

 

そしてこの【想定】に細心の注意が必要です。想定しているのは販売を手がけている不動産業者です。一部の不動産業者は想定を相場からかけ離れた家賃に設定し見かけだけの利回りを高く見せている情報をよく見かけます。

想定賃料はあくまで想定。ご自身が検討する際には自分で調査しこの【想定】の信憑性をしっかりと吟味する必要があります。

 

現況利回り

 満室想定利回りが【想定】だったことに対して現況利回りは現状の賃料のみで計算する利回りです(空室の賃料は算入しない)。式としては

今現在実際に入ってきている賃料×12ヶ月÷物件価格=現況利回り

となります。

 

実質利回り(ネット利回り)

不動産の運営には管理費、共用部電気代、水道代、EV管理費、貯水槽維持点検、消防点検費等々運営に関わる経費が発生します。こういった運営経費を家賃収入から差し引いた金額、つまり手残りの金額から算出する利回りです。

(家賃収入ー運営経費)×12ヶ月÷物件価格=実質利回り(ネット利回り)

 

(ネットという言葉もグロスと同様に、そういった言い方をするんだな。ぐらいの認識でOKです。)

融資金額利回り

物件価格ではなく、融資金額で算出する利回りです。

物件価格=融資金額ではありません。物件金額の8割を融資でまかなうこともありますし、逆に売買に関わる諸費用も含めて物件価格以上の融資を受けることもあります。

家賃×12ヶ月÷融資金額=融資金額利回り となります。

 

修繕費込み利回り

ボロボロの物件を再生するような玄人向けの物件を好む投資家さんがよく使います。

物件価格に加え、修繕費も算入してトータルの取得費として考えます。

家賃収入×12ヶ月÷(物件価格+修繕費用)=修繕費込み利回り となります。

 

運営経費(ランニングコスト)を把握しよう

利回りが何かが分かったところで、ここから記事のテーマである「なぜ利回りを見ても意味が無いのか」といったところを解説します。

 

今までの記事にも書いてきましたがあらゆるジャンルの不動産投資には運営経費が発生します。オーナーが手にするお金は家賃収入からこれらの運営経費を差し引いた金額となります。

家賃-運営経費=月々にオーナーが手にする実際の収益

ですね。

そして、ウソみたいな話ですが不動産のことをまったく勉強せずに業者の言うがままに物件を購入してしまったオーナーは購入後、はじめてこれらの運営経費に気がつき全く収益が出なかった。という話もよく聞きます。

そう、収益を目的とした不動産投資においてみるべき数字は利回りではありません。

見るべきは手残り収益なのです!

※この手残り収益のことをキャッシュフロー(略してCF)といいます。

 

では物件購入前に「何に」「いくら」の経費が発生するのか?を抑えておきましょう。

まず、物件の紹介を受けた仲介の業者に率直に

「この物件の運営に関わる全ての経費の項目と金額を教えてください。」

と聞いてしまいましょう。

その上で業者からの回答に下記項目が抜けていないをチェックします。

 

【月間ベース】

  • 管理費
  • 共用部電気代
  • 共用部水道代
  • 日常清掃

 

【年間ベース】※1年に1回や数年に1回というペースで請求が来る

  • 消防点検費
  • 受水槽維持点検費
  • 浄化槽維持点検費
  • 固定資産税・都市計画税

 

そのほかエレベーターがあればその管理費、入居者利用のインターネット代やケーブルテレビ代、防犯カメラがあれば防犯カメラのリース代、雪が積もるエリアであれば除雪費や融雪設備費、水路に面しているような物件であれば水路の占用許可費などなど物件によってさまざまではあります。

 

残念なことではありますが実は、仲介業者というのは特定の物件のことはよく分かっておりません。ましてや直近の消防点検費といった細かい項目は質問を受けてからでない調べません。

 

不動産仲介業者は物件情報量がすごく多いので1物件にそれほど手間をかけません。しかしながら仲介業者には「仲介責任」というものがあります。質問をすれば調べる責任はありますので経費の項目と金額に関わらず気になったことはどんなことでも確認しましょう。

 

その質問に答えずに調べもしないような業者とはそもそも付き合いをしない方が懸命です。すっぱり、縁を切りましょう。

 

物件選びよりも大切なこと

ここまでで本当に見るべき数字はCFだということをお分かり頂けたかと思います。最後に1つ、上記の運営経費とは別に一番CFを左右する項目があります。それは・・・

銀行への返済金!!

そう、物件を一括現金で購入しない限りこの毎月の銀行への返済金が伴うのです。

いかに満室で現況の入居も満室稼動、利回りも高く、運営経費も把握しCFも確認できたとしてもそのCFが銀行返済額でなくなってしまえば意味を成しません。

(あくまでCFを目的とした場合の観点です。借金が無くなれば資産として見れるというご意見はあるかと思いますがその投資目的は資産性、もしくは両方のバランスの問題です。)

 

不動産投資の目的がCFであれ、資産であれ、節税対策であれ融資を受ける以上その返済金額を理解した上での計画をしないとたちまち頓挫します。

 

返済金額を加味した上で最終のCFがマイナスになるのであれば目的を達成していません。しかしそれは物件がわるいのではありません、

【その物件に対してその返済計画の融資で取り組む事】が悪いのです。

 

物件選びよりも大事なことはどういった融資を受けるかです。

その上で得られる家賃収入から返済金額と運営経費を差し引き、最終のCFがあなたの目的に沿っているかどうか。コレがあなたが真に投資判断の基準にするべき数字です。

 

あなたがあなたの不動産投資の目的に沿い、目標のCFを得られる物件に出会えることを心より願います。