今回ははじめての不動産投資には『中古戸建て』に取り組むべき理由というテーマでお話していきます。
筆者は常々、不動産投資にもワンルーム投資や1棟マンション、駐車場、テナントビル、コインランドリーや民泊等、さまざまな不動産の形態があり、どれが正解というモノではなく、それぞれの特徴を理解しご自身の目的に沿った不動産投資を行うべきと主張してきました。
しかしながら、それでもはじめて不動産投資を行う上では『中古戸建て』をオススメします。
なぜ、『中古戸建て』なのか?その理由を解説していきます。
それでは、行ってみましょう!
- 取り組みやすい価格
- リスクが限定的
- 不動産投資に必要な考え方がそろっている
- 入居者がファミリー層
- インカムゲインを狙いやすい
- そしてキャピタル(売却益)も狙える
- まとめ(中古戸建て投資の先を見据えて)
取り組みやすい価格
まず、第一に他の種類の不動産に比べ価格が安いというの理由があります。
数百万円から可能です。もっと言えば500万円未満です。
そして、この価格帯の物件を狙うのがポイントです。(もちろんエリアによりますが)
戸建ての賃料が6万円取れる地域の物件であれば1年間の賃料は
6万円×12ヶ月=72万円
500万円で取得できれば単純に利回りは
72万円÷500万円=14.4%となります。
利回り的にも十分収益物件としての役割を果たします。
また、これぐらいの収益性を見込もうと思えば『中古』に限定されます。
長く空家が続いている等の理由でこういった価格帯の戸建てはまだ、市場にありますし、昨今の空家問題が取り立たされる中で今後もこういった中古戸建ての物件数は増えてくるでしょう。
さらに欲を言えば『土地値』以下の物件です。
路線価×土地の広さ(㎡)=土地値
として考えた場合、最悪でも更地にすることで売り抜ける可能性を大幅に上げることが出来ます。
路線価の詳しい調べ方については下記、記事にて解説しています。
datusara-journey.hatenablog.com
リスクが限定的
上記の取り組みやすい価格もそうですがいろいろな面で中古戸建てはリスクが比較的少なく取り組めます。
例えば、500万円未満という価格帯ですといっそのこと全額自己資金でも取り組める方も少なくないはずです。
融資に頼らず、全額自己資金でまかなえるということはレバレッジは聞きませんが『返済』が無いというとてつもないメリットがあります。
入居者がいない期間でも返済は無いので追加でご自身のポケットマネーからの手出しが無いというのは精神的にもかなり楽になると思います。
もし、数百万円の自己資金が無いという方は日本政策金融公庫も十分、枠内に収まりますので取り組みは可能です。
※日本政策金融公庫って何?という方は下記、記事をご覧下さい。
datusara-journey.hatenablog.com
自己資金が無くても取り組みは出来ますがやはり纏まった自己資金は不動産投資において不可欠です。数百万円程度の投資資金は準備できるまでは不動産ではない他の資産運用の方法を取ることも考えましょう。
それは「元手が無いからあきらめる」というマイナスの思考ではなく、今は自己資金を準備する段階なのだというご自身の状況を客観的にみた適切な投資判断です。それぞれの資産運用方法には特徴があり、それぞれに状況の方に向いている方法、向いていない方法があります。
たまたま現時点では不動産投資ではない段階なだけで一歩一歩、進めていくというプラスの思考で取り組んで頂ければと思います。
(というか筆者も現時点で追加で不動産に投資する分の纏まった自己資金なんてありませんし準備している段階ですw)
すみません、話がそれてしまいましたがリスクが限定的な面ではまだあります。
上の項目で土地値ぐらいで取得できたとして、数年や十数年保有した後に更地に戻して売り抜けるという話をしました。
中古戸建てというのはほとんどが木造だと思います。
建物を取り壊す際(大規模修繕なども)木造であれば壊すことも鉄骨造やRC造に比べ容易です。ですのでいろいろな状況に合わせて策を講じる際にも何かと経費が安く済むというのがリスクヘッジになりますね。
不動産投資に必要な考え方がそろっている
中古戸建てに関しても入居者がいなければ意味がありません。
そこには家賃のエリア相場、賃貸需要等の調査は必須です。
これは不動産投資において大変重要な情報ですのでしっかりとヒアリングが出来るようにしましょう。
※ヒアリングってどうするの?っていう方は下記、記事で解説しています。
datusara-journey.hatenablog.com
また家賃相場だけではなく、賃貸に出す場合リフォームも必須です。
これもマンションだろうが戸建てだろうが賃貸募集を出す上で避けては通れません。
また、どのレベルまでのリフォームを行うかといった投資感覚も磨かれます。
せっかく500万円未満で取得できても家賃が6万円で年間72万円を得るということを考えると気合を入れてリフォーム代で500万円も掛けてしまうと一気に収益性が半減してしまいます。そういった経費と投資効率を考える習慣も戸建て投資で身に着けることが出来ます。
また興味があれば壁紙の張替え、CF(クッションフロア)の張替え等であればご自身でも可能です。興味が無ければ全部、修繕業者さんに任せちゃってもいいんですが少しでも修繕費を安く抑えようと思えば出来ることは多いです。
決済の手続きとしても登記に関する項目、売買代金以外に清算が必要な項目等不動産投資に必要な手続き関連も中古戸建てで一通り経験できます。
入居者がファミリー層
戸建てですので入居者はファミリーですよね、ファミリー層がなぜ、メリットになるかといいますと入居期間です。
単身者の入居期間はおおよそ2年から3年といわれています。
一方ファミリー層はお仕事での事情が無いやよほどのことが無い限りお子様の転校という事情もあり引越し頻度は高くありません。
つまり、一度入居者として入ってもらえれば安定的に家賃収入が入ってくるのです。
頻繁に入退去が発生すればそれだけ原状回復費用も発生しますし仲介業者に支払う広告料もかさみます。
そういった変動の経費が抑えられるといった特徴もメリットの一つです。
インカムゲインを狙いやすい
つまり手元にCF(キャッシュフロー)が残りやすいということです。
なぜかといいますと、1棟マンションのように共用部の電気代や水道代、消防点検やEV管理費用、貯水槽点検費用などオーナーが負担する固定経費がほぼありません。
また、区分マンションのように管理費や修繕積み立て金なんていう費用も発生しません。
固定資産税は発生しますが中古の木造の戸建てという事は評価額も建物に関しては低くなっているはずです。固定資産税も年間数十万円で収まるでしょう。
経費率が低いので家賃収入を効率よくCFとすることが出来るのです。
そしてキャピタル(売却益)も狙える
このように1棟マンション等と同じくヒアリングを行い、不動産投資に必要な手続きを押さえ、収益性に対する考え方も身につけ、見事収益不動産として運営を始めることが出来れば今度は売却という事も見据えることが出来ます。
CFは毎月入ってきていますので急いで売却する必要は無いでしょう。
じっくりとあなたの希望の価格で買い手が見つかるまで待つことが出来ます。
このように保有してよし、売却してよしという不動産投資では最強の状態を作りやすいのが中古戸建ての特徴です。
冒頭の例ですと500万円の戸建てを利回り14.4%でまわしています。
今度は例えば720万円、利回り10%で売りに出します。
そうすれば単純に利益220万円ですね。
新たに貯金で220万円を貯めようとするとかなりの期間を要するでしょうがこのように不動産を活用すれば比較的短期間にこういった資金を生み出すことが可能です。
このように少々難易度の高いキャピタルゲイン(売却益)も中古戸建てであれば現実的に目指せることが多いです。
まとめ(中古戸建て投資の先を見据えて)
上記の持ってよし、売ってよしの状況を数回繰り返すことが出来れば同時に複数の戸建てに取り組むことも可能でしょうし、そういった不動産賃貸業としての実績を積み上げていくことで金融機関への実績のアピールにもなり、融資の可能性が広がることへも直結します。
さらに、自己資金もどんどん生み出されていくので1棟マンション等の規模の大きい案件にも無理なく取り組むことの出来る段階も目指せます。自己資金の面だけでなくメンタル的な面でも中古戸建てで経験されたことを踏まえるとグッと不安は減っているはずです。
私が不動産投資は中古戸建てからオススメする理由は解説してきましたが中古戸建て投資が不動産投資の中で最高!と言いたいのではありません。
ココからスタートすることで良い状態(無理なく資産を増やすことが出来る状態)をループさせることが出来ると考えるからです。
スタートの段階で出来るだけ不動産投資に対する不安要素をなくし、潤沢な資産を築き上げてからでも規模の大きい案件に取り組んでも遅くありません。
中古戸建て投資の先にどういった投資手法をとるかはもちろんあなたの自由です。
あなたが思い描く不動産投資に失敗しないためにも初めはリスクを押さえながら取り組むことの出来る中古戸建て投資をオススメいたします。
それでは、今回はこのへんで。