不動産において消費税の計算は少々ややこしいです。
今回は消費税増税に伴いそんなややこしい消費税計算をスッキリさせていきましょう。
土地代に消費税はかからない
はい、そうなんです。不動産において土地は非課税なんです。
不動産にかかる消費税というのは「建物のみ」に課税されます。
個人が売主の場合、消費税はかからない
はい、そうなんです。消費税というのは課税業者が売り上げにかかる税金を消費者から回収しまとめて収める関節納税で納められます。
ですので一般個人の方がただ単に1つだけ持っている不動産を売却することには不動産に消費税は発生しません。
消費税が発生するのは売主が「課税業者」となるときに限られます。
土地の価格・建物の価格
前述のとおり、土地に消費税はかかりません。
では、不動産価格をどのように「土地」と「建物」に分けるかを見ていきましょう。
例えば税込価格が1億円の不動産があったとします。この1億円を分解してみるとこんな感じになります。
土地価格+(建物価格+消費税)=1億円
カッコの意味無いじゃん!って思われると思いますがこれは通常、建物と消費税は税込建物価格と解釈されますのでそのイメージでカッコをつけました。
では、この比率は何によって決定するかといいますと明確な規定はありません(!?)
そうなんです、実は明確な規定はありません。では土地9,999万円、建物1万円でも良いかというとさすがにそれも具合が悪いです。
前述のとおり、消費税は間接納税。極端な土地建物の比率だと悪質な税金逃れとしてすぐに税務署から調査が入り、追徴課税が課せられます。
では、どのように考えるのか良いかというと、もっとも合理性のある比率は評価額按分(アンブン)という按分方法です。
これは、評価証明書という公的に算出された土地建物の評価割合で物件価格も同じく按分する方法です。
例えば、上記の1億円不動産の土地評価額が3,000万円、建物評価額が6,000万円だったとしましょう。
比率はこのようになります。
土地比率:3,000万円÷(3,000万円+6,000万円×1.08)=31.646%
※土地評価額を土地と建物、消費税の合計で割っています。
建物比率(税込み):100%-31.646%=68.354%
建物比率(税抜き):68.354%÷1.08%=63.291%
消費税 :100%-31.646%-63.291%=5.063%
さて、ココまでで比率が分かりました。
後は簡単、この比率を物件価格に当てはめてみましょう。
土地価格 :1億円×31.646%=31,646,000円
建物価格(税込み):1億円×68.354%=68,354,000円
建物価格(税抜き):1億円×63.291%=63,291,000円
消費税 :1億円×5.063%= 5,063,000円
1億円の不動産価格についてそれぞれの価格が出ました。
1億円の不動産の土地建物価格(税抜き)は94,937,000円ということでした。
買主にとって税抜き価格が重要な時
はい、不動産の土地建物、そして消費税の金額が分かりましたが分かるだけでは意味ないですよね。買い手にとってこの価格から算出される税抜き価格が重要になるのは【仲介手数料】です。
仲介手数料は売買価格に対して発生するのではありません。あくまで【不動産価格】に対して発生します。
仲介手数料をはじめ、不動産購入時の諸費用に関しては下記の記事にまとめています。
datusara-journey.hatenablog.com
今回は不動産の消費税に関するお話でした。
2019年10月からは10%に増税になりますが世の中の流れに逆らうよりはうまく付き合うほうがストレスが少ない気がします。
特に税金に関しては「知りませんでした。」が通じませんのでしっかりと理解し、また無駄な仲介手数料も払わなくてすむようにご自身でもササっと計算できるようになって起きましょう。(エクセルに式を入れておけば早いかと思います。)
それでは、今回はこのへんで。